レジン作品を作っていて、
あれれ??
レジン作品が小さくなってる?
こんなこと、ありませんか?
モールドの型より小さくなってる・・
っていうのは、レジン液が収縮(レジンの縮み)したことが原因なんです。
他にも、
- 硬化してみたら、隙間ができてしまう・・・
- ミール皿から、レジン作品が外れた・・・
- レジンがセッティング台から剥がれてしまった・・
こんなトラブルもレジンの収縮によるものです。
これらのトラブルは、柔らかいアルミや紙などで簡単な型枠を作って、樹脂を流し込んで硬化すると分かりやすいです。
収縮により意外な形に変形したりします。
固くて変形しない型枠だったとしても、流し込んだ樹脂が型のサイズよりも収縮することにより、型から剥がれながら、内部で変形していく事もあります。
残念ながら、このようなレジンの収縮を完全になくすることはできません。
しかし、ある程度は対処の仕方で収縮を抑えることが出来たり、変形したものを矯正(平らに)出来たりします。
このページでは、その対処方法や、
なぜ、完全にレジンの収縮が無くせないのか?
ということなどを詳しく説明していきますね。
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レジンが縮む原因とは?
まず、小難しい話を先にしておきますね。
化学的なレジンの収縮についてのお話しになります。
UVレジンは、紫外線に当たると固まりますよね??
樹脂を英語では、レジン=RESINと表すように、紫外線(UV)に反応し硬化する樹脂を『紫外線硬化樹脂』と言います。
よって、UVレジン液=紫外線硬化樹脂です。
そして、販売されている様々のメーカのUVレジンの素材・成分は、特殊アリレート樹脂がほとんどです。
その中には主剤と硬化剤という成分が含まれています。
この硬化剤に紫外線が当たることにより、ラジカル(不対電子をもつ原子、原子群のこと)が発生し、このラジカルが連鎖的に反応を引き起こしていき、硬化物を作ります。
簡単にいうと、紫外線が当たって化学反応でレジンが固まるということです。
この反応を、「ラジカル重合反応」といいます。
ラジカル重合による反応は、硬化による収縮が必ず起きると考えていいです。
レジンが収縮するというのは、
硬化前の液体から、硬化後の固体に変化した際に体積が減少してしまうということになります。
この体積が減少するというのは、
モールド型を使って硬化した際に、
思ったより小さいものが出来上がることをイメージすると分かりやすいかと思います。
ですので、UVレジンは、太陽光(日光)でもUVランプでもLEDライトでも縮んでしまいます。
この収縮が起こるため、型との間に少し隙間ができてしまって
ツルンとした仕上がりにならなかったりするのです。
レジンは収縮するもの
レジン液は、硬化するときには化学反応を起こして発熱(硬化熱)し、少し縮みます。
このような樹脂を使った造形には、必ず素材が硬化する際に、どうしても「収縮」が発生してしまう性質があります。
収縮の大きさは、製品によって多少の違いがあります。
また、一般的にいえることは、硬いものは収縮が大きくなり、柔らかいものは収縮が小さくなります。
これはラジカルによって反応する箇所の密度が高ければ硬くなるという事と関係しています。
したがって、ハードタイプは収縮が大きく、ソフトタイプは収縮が小さくなります。
収縮率とは?
前述した通り、樹脂は液体から固体に変化した際に体積が減少します。
そして、この縮んだ比率のことを「収縮率」といいます。
メーカにもよるので一概には言えませんが、UVレジンは4%前後縮むこともあるようです。
例えば、ABSという樹脂の収縮率は 4/1000 から 9/1000 です。
1000mmの全長のものが、4mm から 9mm 縮むということです。
収縮率=((収縮前の長さ)ー(収縮後の長さ))/(収縮前の長さ)
おゆまるなどで型を作り、レジン作品を作ると一回り小さなレジン作品になります。
従って、型は実際の狙う寸法より大きく製作する必要があります。
収縮率はレジン液の種類によって異なります。
また、収縮率は同じ種類やメーカであっても箇所によって縮み方が異なってくる場合がありますので注意が必要です。
実際の成形で予想以上に収縮したり、逆に収縮しなかったりします。
レジンを削るのは簡単です。
しかし、硬化させた作品を一回り大きくするのはムリです。
ワット数の違いで収縮率が変わる?
ワット数の低いUVランプはレジンの収縮率が高く、ワット数の高いUVランプだと収縮率低いと思っていませんか?
実は、ワット数の違いによって、収縮率はあまり変わりません。それよりも、UVライトの光源の数や、位置などの違いで収縮率が違います。照射距離が近いと強力に1点集中してしまい、仕上がりは早い分収縮する度合いが変わります。
LEDライトを当てると縮みやすい!
ライトの違いで収縮率も変わります。なぜなら、LEDライトで硬化するレジンは、その硬化の早さから収縮率が高くなるからです。
UVライトで硬化するほうがゆっくり固まるので、収縮しにくいんですよ。
縮まないようにするには?対策法や改善法
ゆっくり均一にUVライトに当てよう!
均一にUVライトに当てないと、(照射距離が近いと強力に1点集中してしまうので)偏って収縮してしまいます。縮みを少なくするには、UVライトが作品にライトが均一に当たるように、時間をかけて作りましょう。
レジン液の量を調節しよう!
きちんとレジン液を注入しても、完成したら隙間が出来ている場合は、レジンが収縮することを考えて、入れる量を調整する必要があります。
盛りすぎてもダメだし、ちょうどぴったりにするとムラになってしまっると、加減が難しいですよね。
なので、下の層を作る時(1度の硬化した後など)に、レジン液がどれくらいの量でどんな感じになったのか?というのをよく観察しておきましょう。
それでも、仕上げ時にうまくいかなかったら、盛りすぎに注意しながらもう一層重ねてみましょう。
収縮率の低いレジン液を使おう!
UVレジンは顕著に、ハードタイプの中でも、この収縮率が大きい液があるようです。
レジンプロとクラフトアレンジとLutyの2種類は、収縮率が少ないです。
安いレジン液の方が収縮が少ないようですね。安いレジン液は臭いが強かったり安全性に疑問があったりするので、ここらへんは悩むところですね。
収縮率の高いUVレジン液・・
艶レジンはどちらも収縮率が高く反りがものすごいです。
しかも反りが強かったせいか表面がところどころシワの様な波打った感じになってしまいます。
TURUPIKAも結構収縮激しいのか、シワのようなものができます。
シリコンモールドを使う時のコツ
レジンは硬化すると縮むので、レジンを入れるときに、まん中が型の淵よりちょっと盛り上がるくらいに入れると、完成したときにおおむね平らになります。
どうしてもだめならやすりで削って、削り痕がついてしまった面にUVレジンを筆などで薄く塗ればリカバリーできます。
シリコンモールドの作品で失敗を少なくしたい方は、収縮率の低いレジン液を選ぶと良いです。
クリスタルレジンやデブコンなどを使用してみよう
2液混合型レジンは縮みません。
また、UVレジンは、あまり立体的なものは向かないので、高さがある大きいものを作るなら、UVではない2液混合型レジン(クリスタルレジンやデブコンなど)を使った方がいいと思います。
ですが、UVレジンに比べて早くシリコンモールドを傷めます。
ドライヤーやエンボスヒーターで収縮を無くせる?
UVレジンの場合、紫外線で硬化させるので、ドライヤーはあまり意味が無い気がします。レジンの気泡をとるにはいいんですが。
まとめ
レジンが縮んでしまう原因や対策法をまとめてみました。
レジンの収縮によるトラブルはある程度これで防げると思います。
ぜひ、試してみて下さいね。