普通の家にあるLEDのスタンドライトやジェルネイル用のライト、100均のUVランプやLEDランプなどで、UVライトの代用としてレジン液は硬化するのでしょうか?
ハンドメイドやハンドクラフトで使われるレジンは、紫外線(UV)で硬化するものと2液を混合して硬化させるタイプがあります。
このUVで硬化するタイプのレジンを【UVレジン液】といいます。
このUVレジン液は、その名の通り紫外線(UV)で硬化するのですが、これからレジンを始めたい初心者さんは同じ「光」という概念で『LEDライトでも硬化する?』という疑問をもたれます。
今回は、UVとLEDの違いやUVレジンを硬化するために「LEDランプは使用できるのか?」ということを紹介しますね。
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UVレジンとは?
UVレジンとは、“液体状のプラスチック”で、合成樹脂の一種「紫外線硬化樹脂」です。これに紫外線と呼ばれる目に見えない光を当てることで硬化させることができます。
この「UVレジン」と呼ばれる液状の紫外線硬化樹脂は、紫外線領域の一定の波長で光出力する『UV/LEDライト』で固めて、ペンダントやブローチ、スマホカバーといった、さまざまなアクセサリーを作ることができます。
UVレジン液が固まる仕組み
レジン液が固まる理由を説明していきますね。
「紫外線硬化樹脂」の中にも「主剤」と「硬化剤」にあたる成分が一緒に入っています。その「硬化剤」に該当するのが、『光重合開始剤』です。
光重合開始剤に、紫外線を照射すると、重合という反応が起きて、紫外線硬化型樹脂は、硬化するようになっています。
ちなみに、光硬化型素材の重合は、ざっくりと分けると「ラジカル重合」と「カチオン重合」の2種類があり、現状、手芸屋さんや、模型屋さんで販売されているUVレジン液は、「ラジカル重合」タイプです。
UVレジンの使われ方
UVレジンはさまざまな工業分野で使われており、塗料や印刷インキの硬化のほか、電子回路などの保護コーティング用に使用されてきました。
UVレジンはウレタンアクリレート樹脂や特殊アクリレート樹脂などの高分子を素材としもので、375nm前後の紫外線に最も反応し、数分から数時間で硬化するようになっています。
高分子を作る反応には通常高い熱を使用しますが、熱は対象物にダメージを与える可能性があります。
従来は水銀ランプなどを光源に使われていましたが、温度と時間のコントロールが難しく、また寿命によるランニングコストも大きいという問題がありました。
それに対してUVレジンは、熱を発生しない紫外線を照射するだけで短時間かつ効率的に硬化することができるのがメリットです。
産業用の通常のUV硬化は、高圧水銀ランプによって200nm~500nmの強力な光を発生させ、数秒から、10数秒で完全に硬化させています。
一方、ハンドクラフト用では、短波長の紫外線は有害性が高いため、波長としては350nm程度以上の低出力の弱い光を使用し硬化させています。そのため、硬化には数分間以上を要してしまいます。
現在はその技術を利用して、手軽なアクセサリー作りに使われています。
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紫外線とは?
UV(ユーブイ)とは、Ultra Violet(ウルトラ バイオレット)の略で、日本語で言えば『紫外線』光の種類で、明るい状態では目に見えません。
紫外線は、携帯電話やラジオの電波と同じく、電磁波の一種です。電磁波の単位は、『nm(ナノメートル)』です。
学会などの組織によって、違いは多少あるのですが、10~380nm、もしくは、10~400nmの電磁波を『紫外線』と呼んでいます。
紫外線は、波長の短い『遠紫外線』と波長の長い『近紫外線』に分類でます。その『近紫外線』も分類すると、3種類あります。
- 『UV-C』
- 『UV-B』:遠紫外線(280nm~315nm)
- 『UV-A』:近紫外線(315nm~400nm)日焼けの原因
UVとLEDの呼び方の違い
『UV』や『LED』とは、波長によって区別された光の呼び方です。
太陽光に含まれる光(紫外線)は、その波長(nm数値)によって分けられます。
- 紫外線【UV】 (14~400nm)
- 可視線【LED】 (400~600nm)
- 赤外線(600以上)
紫外線の波長(nm数値)の違いで硬化しないレジンがある!
UVレジン液に含まれている『光重合開始剤』は主に、紫外線の中でも波長の長い『UV-A波(315~400nm)』(…のどこかの波長)に反応するようです。
製品によって出す紫外線が違いますので、UVレジン液を硬化促進に有効な紫外線を出すLEDライトでなければ硬化しません。LEDランプの出力や、波長によって硬化できるかどうかが決まってきます。
紫外線で硬化する樹脂であるUVレジンを、紫外線とは違う波長のLEDから出る光を当てても固まりません。
通常、波長が表記されていると思いますので、数の小さい波長のものが硬化しやすくなります。市販されているものでは375nm以下でないと結構厳しいと思われます。
特に、UVレジン液の硬化促進に有効なのは、「365nm 辺りの波長の紫外線」です。だいたい365nmあたりで固まるものが多いそうです。
(レジン液によって若干異なります)
UVライトとLEDライトの波長の違い
硬化用ライトの種類も『UVライト』『LEDライト』という名前が付いています。まれに『UV-LEDライト』と呼ばれる商品も出ているようですが、これは放出する波長領域がUV波を含んでいる場合が多いようです。
LEDライトにしろUVランプにしろ「nm数値」を確認するか「UVクラフトにも使える」と明記されてる機種でお選び下さいね。
UVレジンが硬化するLEDライトが欲しい人はこの記事↓で機種選びの参考にして下さいね。
やりはじめたら簡単ですから、ランプの選択だけは作るものと、物理的に置けるサイズ、電気代(作る量が少なければ大したことは無い)を決めて、レビューなどを見ながらお決めになったらよいかと思います。小さければネイル用でも使えます。
ライトのワット数、パワー(紫外線量)はW数に比例します。9Wより36W の機種の方が硬化が早いです。
LEDライトでもUVレジンは固まる(硬化する)
「LEDだとUVレジン液は硬化しない。」と主張される方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。
紫外線を照射する「LEDライト」を選べば良いだけです。
LEDライトは波長が少し違うのでUVレジンは固まりにくいかもしれません。しかし、LEDランプでも、紫外線を発生させるものがあります。
UVレジン液とLEDレジン液の違い
通常のレジン液は、UV~LEDの範囲の光に反応して硬化するようにできています。
但し、レジンによって硬化する波長が決まっていて、そのレジンが対応している波長でないと固まりません。
『LED対応』や『UV/LED対応』という表示はその目安です。UV対応レジンもLED対応のレジンも硬化する可能性がありますが、数値上UV対応の硬化範囲とずれていたり、LED波(405nm)付近に達していない場合もありますので、確認が必要です。
LED対応のレジン液は、徐々に普及しています。
LEDライトでも硬化するレジン液は、現在3種類ありますので、LEDで硬化するレジン液が欲しい人はこの記事を読んでみて下さいね。
LEDで硬化するレジン液のおすすめは、「パジコの星の雫」です。
LEDで硬化させるメリットは、硬化が早いこと、黄変が少ないことです。硬化させる待ち時間って少ない方がいいですよね。また、せっかく作ったレジンアクセが黄変するのも悲しいです。
黄変についてはこちらの記事を読んでみて下さいね。
UVライトの代用品はあるの?
100均のUVライトで固まる?
100円均一ショップで販売されているマジックライトペンでUVレジンを硬化させることが出来るのです!
ただし、アクセサリーに使うくらいの大きさになると、硬化できなくなるみたいです。
かなり時間はかかりますがレジンで作ったアクセサリーの補修や、ちょっとしたパーツの接着には使えると思いますよ!
ブラックライトでも固まる?
Amazonや楽天市場、ホームセンターで売っているブラックライトも波長によって(300nmから400nm付近のものが多い。)はしっかり硬化させることができます。こちらも普通のUVライトよりも硬化時間は長くなってしまうようですが、探せば市販のUVライトよりもお安く手に入りますよ。
蛍光灯も使える?
机についている蛍光灯もレジンとの相性がありますが、固まるようです。1晩蛍光灯をつけっぱなしにしておかなくてはいけないので、電気代は嵩みそうですね。
さらに表面が若干ベタベタしてしまうようなので、コーティングからの太陽光での硬化が必要なので雨の日のレジンの仮硬化くらいに考えるといいかもしれません。
UVレジンは天気の良い日の太陽光でも1時間ほどで固まります。UVライトは電球を変えるのが億劫なので、硬化時間も早く半永久的に電球が使えるLEDライトを購入しようと思っている人は、UVレジンが硬化する紫外線を出すLEDライトを購入しましょう。または、ランプを交換しなくていいCCFLというライトがあるのでそちらをお使いになってはいかがでしょうか?
まとめ
UVレジン液の商品レビューなどを読むと、同じメーカーの同じ製品(UVレジン液)のはずなのに、『ベタベタして、あまり硬化しません。』というレビューもあれば、『ちゃんと硬化します。』というレビューもあったり…。
こういった状況になるのは、もちろん製品の個体差(品質のバラツキ)の問題も否定できませんが、「使用しているライト・ランプの波長の違いも大きいのでは…」と推測できます。
(品質的に劣っているUVレジンは表面のべたつきがなかなかとることが出来ません)
例えば、365nm付近で硬化しやすいUVレジン液に、395nmの長い波長をメインに出す紫外線のライトを使ったりすると、硬化不良になりやすいのかもしれません。
レジン作品を作るに、ランプの波長とレジン液の相性がよくないときちんと硬化してくれません。できれば、同じメーカのレジン液とUVランプを使うことが無難かも知れませんね。