レジンで作った作品は、そのままではただの置物になってしまいます。
出来上がったパーツはアクセサリーに加工して楽しみましょう。
アクセサリーに加工するには「ヒートン」と呼ばれる作品に挿して使うネジのようなものがよく使われます。
例えば、レジン作品をピアスにしたい場合、作品にヒートンを付ける事によりピアスフックと作品を接続することが可能になります。この他にもネックレスやチャームなどぶら下がるアクセサリーにしたい場合、接続金具は必須になってきます。
「ヒートン」は、レジン作品の大きさや厚みに合わせてタイプや長さを選ぶのがおすすめです。
まずは、どんなヒートンの種類があるのか、紹介していきますね。
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ヒートンとは?
ハンドクラフトにおいてのヒートンは、パーツに穴を開けて埋め込み、接続部を作るために用いられます。特に木材・レジン・樹脂粘土などを使われる方にとっては、ヒートンはアクセサリー・小物に加工する際の必須アイテムの一つといえます。
ヒートンを用いるときは、必ずパーツにある程度の太さと深さのある穴が開くことになります。
ちなみにヒートンは英語で“Eye bolts”といいます。ついでに、一見ヒートンに似た形をしている9ピンは“Eye Pins”と呼ばれています。
ヒートンの種類
ヒートンにはいくつか種類があります。
主なものは、3つです。
- ネジ式ヒートン
- 差し込み式ヒートン(ヒートンキャップ)
- 貼り付け用ヒートン
どのヒートンも、太さや長さ、色に種類があります。
サイズは、ホームセンターの日曜大具・インテリアコーナーに並んでいるような太くて大きなものから、ハンドクラフト用の細くて小さなものまでさまざまです。
色は、他のハンドクラフト資材と同じく、ゴールド・シルバー・金古美などがあります。
作品によって使い分けましょう。
どう使い分ければいいかを解説しますね。
ネジ式ヒートン
差し込み部分がネジのようになっているヒートンです。
回転させながら、パーツに押し込むようにして使います。
この形のヒートンは、ハンドクラフトだけでなくインテリア方面でも用いられるので、極小サイズでなければホームセンターなどでも入手できます。
100円ショップでも買えますが、出番が多いのでネットショップで大量にまとめ買いする人が多いです。
ネジ式ヒートンは比較的丈夫なところと、ネジタイプなので接着剤なしでも使用できるところが良いのですが(※パーツによります)、差し込み式ヒートンのような華奢な雰囲気は出にくいです。
使い方は、ヒートンを取り付けたい部分に穴を開け、ネジと同様ねじ込むだけです。
接着剤と併用してねじ込むとより丈夫になるので良いですが、透明なレジン作品にネジ式ヒートンを使用すると、作品の中にねじ込んだネジ部分が丸見えになってしまい見栄えが悪くなってしまうので、透明な作品には少々不向きです。
使用する際はネジ部分だけ色を付けたりパーツを付けて隠す必要があります。
差し込み式ヒートン(ヒートンキャップ)
差し込み部分が細くまっすぐになっているヒートンで、上からキャップをして穴を塞ぐ形になるので見た目が綺麗に仕上がります。
ネジ式ヒートンほどの存在感はなく目立ちにくく、キャップによって穴に蓋がされる状態になるので、見栄え良く仕上がります。キャップ部分はシンプルなものから、モチーフ付きのものまであります。
ネジ式ヒートンと違い、細くまっすぐなので頑丈さはなく、接着剤との併用が必須です。
透明なレジン作品に使用したい場合、こちらも差し込んだ部分が見えてしまうので乾いた際に透明になる接着剤かレジンで硬化するようにすると良いでしょう。
○穴を開ける道具を用意しよう○
穴を開けるのは、キリや目打ちであく場合もありますが綺麗にあけたい場合はピンバイスや手動ドリルを使用すると良いでしょう。
ピンバイスの使い方はこちらのページにまとめています。
貼り付け用ヒートン
前述した2つのヒートンと違い、ピンバイスで穴をあけることが不要なヒートンです。差し込み部分がなく、キャップ状になったヒートンを接着剤で作品に取り付けるタイプのものです。
穴を開けたくない作品に適していますね。
差し込み部分がないので、透明なレジン作品に使用すると見た目も綺麗に仕上がりますが、他の2つのヒートンに比べ丈夫さは格段に劣るので、重たい作品や負荷がかかりやすい使用方法だと外れる可能性が高くなります。
穴あけや貼り付けをしたくない場合
穴開けをしたくない場合、貼り付けヒートンを使うよりもっと強度がある「埋め込みヒートン」が便利です。
これはレジン用に開発された商品であまり種類が無く、ネジ式のヒートンより高価です。しかし用途によっては使いやすいです。
初心者さんにもオススメです。
パジコ レジン専用クランクヒートン
レジンメーカで有名なパジコさんが開発した(特許出願中)、シリコンモールドに埋め込んで硬化させるヒートンです。硬化後の穴開けが不要になります。
モールドにUVレジンをいれ、硬化する前にクランクヒートンを埋め込み、そのまま照射するとクランクしている部分がレジン内部に適度に埋まり穴を開けなくてもヒートンを刺すことができます。
平たくなっているので、半球のレジンの貼り合わせに最適です。
基本的な使い方
ピンバイス、ハンドドリルなどを使って、ヒートンを付けたい場所に穴を開ける。
↓
(必要な場合は接着剤を付けて)開けた穴にヒートンをねじ込む。
ネジの向きに回していきます。この時、力を入れすぎないことが大事です。
ヒートンの付け方
ネジタイプのヒートンのつけ方
ピンバイスを使って、ヒートンの差込部分よりも少し余裕のある幅と深さの穴を開ける。
接着剤をつけたヒートンを挿し込む。接着剤をつけなくてもくっつけることができます。
接着剤を使わずにUVレジンを使う場合は、UVライトに入れて固めましょう。
この時に平ヤットコがあれば便利です。
指で出来る場合は指でも良いですが、平ヤットコなどではさんで回すとやりやすいです。
ヒートン部分をヤットコで掴み、全体をムラなく硬化させることも出来ます。
差し込みタイプののヒートンのつけ方
差し込むタイプのヒートンは、接着剤を使ってつけていきます。
ヒートンと接着剤を用意し、ヒートンの差し込む部分に接着剤をつけます。
接着剤をつけたヒートンをモチーフの穴に差し込みます。
あとは、ご使用の接着剤の説明書が指示する時間そのまま乾かして完成です。
貼り付けタイプのヒートンの付け方
ネジがついていないヒートンです。
お好みのモチーフにレジン液で固めて貼り付けて使います。
作品に穴をあけなくても付けられます。
穴を開けるときのポイントやコツ
使用するヒートンの長さ・太さ、パーツの材質を考慮して穴をあける必要があります。
作品の厚みや材質に合わせたヒートンを選び、ヒートンの太さより少々小さめの幅の穴をあけるようにしましょう。
穴が浅すぎる
ヒートンが入りきらずにグラグラします。
深すぎるとパーツを不必要に掘ることになってしまいます。
穴の深さが浅すぎてもヒートンがうまく入らず割れる原因になります。
穴が太すぎる
穴がヒートンより大きいと隙間ができてしまい抜けてしまう場合があります。ヒートンとの間に隙間が出来てしまって安定しません(太すぎた場合は接着剤を併用してみるとカバーできることがあります)
穴が細すぎる
穴に無理やりヒートンをねじ込むと、パーツが割れる可能性があります。
さらに、ヒートンを挿入する前に、穴開けで出来た屑をきれいに処理することもお忘れなく!
ねじ込むときは、ゆっくりやさしく作業しましょう。
穴が曲がっている
下穴をあける際に曲がらないようにする
掘り過ぎ注意
細いヤスリでちょこっと穴を彫ります。
ここで彫り過ぎると、ヒートンを刺してもゆるゆるになってしまいます。
接着剤のポイント
乾燥後に透明色になるものを選びましょう。
レジンにヒートンを取り付ける場合は、レジンを接着剤にしている作家さんも多いようです。
強度をあげる場合は、硬化後さらに根本部分にレジンを付けて硬化させます。
モールド型で使うコツ
シリコン型に切り込みを入れてヒートンを置き、レジンの硬化と同時にヒートンを定着させてしまうという技があります。
ガイド穴を開ける
ネジ式ヒートンの場合ネジ部分の厚みがあるので失敗もしやすいので、ピンバイスで穴を開けたい場所に、使用するヒートンのネジ部分の長さより少し短いくらいの深さまで穴をあけておきます(ガイド穴)
これで、無理にヒートンをねじ込こんで、ヒートンがポッキリ折れてしまったり、
埋まった先端が取り出せなくなった…といった事態を防げます。
ヒートンの向き
取り付けるパーツにあわせて、ヒートンの向き(正面カンにするか縦カンにするか)を決めるとよいと思います。
まとめ
ヒートンの種類や、ヒートンを付けたいパーツの材質・デザインによって注意するポイントやコツが若干変わってきます。ご自分のやりやすい方法を見つけてください♪
せっかく作った作品を台無しにしないためにもヒートンを付ける場合の下穴の穴の太さ、深さには十分注意しましょう。
キャップ式や貼り付け用のヒートンも便利ですが、入手のしづらさや割高なのを考えるとネジ式ヒートンを上手に使えるようになる事が一番いいですね。