UVレジンで可愛いアクセサリーが作れると聞いたり見たりした人で、そもそもその「UVレジン液というものは何ぞや??」と思った方へUVレジン液がどういうものか分かり易く説明したいと思います。
また、既にUVレジンクラフトを始めている人も気になったら読んでみて下さいね。UVレジン液の性質が分かると扱い方も分かってきてオススメです(^_^)
レジンも素材を良く知って使いこなせれば、いろいろ、ミックスできたり、おもしろいです(*^_^*)
レジンを扱う際には、この特性や成分や原料を意識して作ると、クオリティの高いものを作る事ができるので、頭の片隅に置いておくといいですよ(”ω”)ノ
UVレジン液の正体
「レジン (resin)」 というのは、英語で 「樹脂」 のことを言います。
UVレジンの正体は、「紫外線硬化樹脂」です。紫外線の光エネルギーに反応して、液体から固体に化学的に変化する合成樹脂のことを指します。
UVレジンと言うのは、硬化させるための硬化剤を必要としません。紫外線で硬化させる合成樹脂だからです。これを「紫外線硬化樹脂」と言います。
UVレジンは、Ultra Violet(紫外線)が大きな役割を果たしますが、欠点として複雑な形状の物に対しては、紫外線の光が適切に当たらないこと。また、顔料を含んだ樹脂の場合、紫外線の光が遮られるので厚みを作る事ができないことがあります。
合成樹脂(ごうせいじゅし)とは?
英語では、『synthetic resin』と書きます。人為的に製造された、高分子化合物からなる物質を指します。合成樹脂の糸を紡糸して作った繊維は合成繊維と呼びます。
合成樹脂は、主に石油を原料として製造されます。金型などによる成形が簡単なため、大量生産される各種日用品や工業分野、医療分野の製品などの原材料となっています。製品の使用目的や用途に合わせた特性・性能を有する樹脂の合成が可能であり、現代社会で幅広く用いられています。
また、合成樹脂は可塑性(かそせい)を持つものが多いです。UVレジン液もこの可塑性があります。
※可塑性(かそせい)
固体に力を加えて弾性限界を越える変形を与えたとき、力を取り去っても歪(ひず)みがそのまま残る性質。塑性ともいう。
UVレジン液の原料
UVレジン液の原料は、このように大きく2つに分類できます。
- (主剤)ベースとなる樹脂
- (硬化剤)重合開始剤
他には、添加剤なども加わっている場合もあります。
●ベースになる樹脂(主剤)●
通常の紫外線硬化性樹脂は、アクリレートオリゴマー、アクリレートモノマーなどを主成分にしたものです。
●硬化剤の重合開始剤●
UVレジンの10%は、紫外線を浴びると分子構造に変化が生じる「重合開始剤」が入っています。この硬化剤の重合開始剤と呼ばれる成分が紫外線照射により、重合と呼ばれる化学反応で硬化していきます。
★重合…分子が繋がり合うことです。
硬化剤の%がよく表記されている場合がありますが、他の着色用途剤(顔粉/着色粉/着色液などをレジン液に混ぜた場合は、特に着色が液体の場合は硬化剤の%が下がりやすいケースもあります。
UVレジン液の原料はいろいろ?
UVレジンって書いてあっても全部同じ成分ではないんです!
UVレジン液の原材料ラベルを見ると、原料には『特殊アクリレート樹脂』と書いてある場合が多いです。ひとくちに『アクリレート』と言っても、いろいろな種類があるようです。
『プラスチック』と一言で言っても、「ポリ塩化ビニール(PVC)」や「PET」、「ABS」や「ポリプロピレン(PP)」など、幅広く存在するように。
ですから、100円ショップ製のUVレジン液に、『特殊アクリレート樹脂』と書いてあっても、他社のUVレジン液の原料である『特殊アクリレート樹脂』と同じというわけではありません。
メーカ(製造元)で、そもそもの種類が違っていたり、ベース樹脂の配合比が違ったり、重合開始剤に何を使っているか、添加剤の違いなど、いろいろな差異があるからです。
わかりやすく実例を挙げると、パジコ社のUVレジン液は、ハード・ソフト・グミーと3種類あります。しかしながら、成分は、全部『アクリル系UV硬化樹脂』との記載です。しかし、組成が違うので、硬化後の特性に大きな違いが出てくるようになっています。
「紫外線硬化樹脂」って?
UVレジン=紫外線硬化樹脂というのは分かって頂けたかと思いますが、「紫外線硬化樹脂」とは何でしょうか?
UV硬化樹脂やUVレジンとも略され、この樹脂を使用した印刷や塗装・コーティングは一般的に、紫外線硬化塗装と呼ばれています。
通常の紫外線硬化性樹脂は、アクリレートオリゴマー、アクリレートモノマーなどを主成分にしたものです。
紫外線の光エネルギーによって、樹脂が僅か数秒で硬化します。乾燥の為の時間が不要となり、効率良く製品が出来上ります。
UVレジンは、紫外線のエネルギーにより、短時間に重合硬化する材料とも言え、特にシール、接着、コーティング用工業材料として幅広く利用されています。
どうして紫外線で固まるの?
樹脂が僅か数秒で固まる・・・。どうしてこのように硬化するのでしょうか?
硬化する原理ですが、レジン硬化の始まりは開始剤がアクリルモノマーと重合という反応を起こして硬化する仕組みになっています。
紫外線によってラジカルが発生し、このラジカルが連鎖的に反応を引き起こしていき、硬化物を作ります。
(ラジカル重合反応といいます。)
ラジカル重合反応の場合、空気中の成分である酸素によってラジカルを消滅させてしまうように働くため、空気に触れる表面硬化を阻害し、表面の乾きが遅くなります。
※ラジカル
ラジカル (radical) は、不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオンのこと。
UVレジンの硬化による収縮
ハードタイプは硬化による収縮が大きく、ソフトタイプは収縮が小さくなります。収縮の大きさは、製品によって多少の違いがありますが、一般的にいえることは、硬いものは収縮が大きくなり、柔らかいものは収縮が小さくなります。これはラジカルによって反応する箇所の密度が高ければ硬くなるという事と関係しています。
ラジカル重合による反応は、硬化収縮が必ず起きると考えていいそうです。
UVレジンは、光が当たらなくても硬化する?
UVレジンの正体は、「紫外線硬化樹脂」で、紫外線の光エネルギーに反応して、液体から固体に化学的に変化する合成樹脂のことでしたが、光が当たらなければ反応せず、安定しているのでしょうか。
『??紫外線じゃなくても固まるの?と思いませんか?』
実は、特に空気がなく(あるいは少なく)温度の高い状態にさらされていると、容器の中でゲル化したり、粘度が高くなってきたりします。
そのため、直射日光が当たる場所などの保管は避けなくてはいけません。
また、粘度は温度によって変化します。夏場と冬場では当然粘度に差が出ます。液温が低く、少し硬いと思ったときは容器の中にお湯を入れ、その中にレジンのボトルを入れることにより、低い粘度(サラサラ)にすることが出来ます。
UVレジンは、LEDでも固まるの?
UVレジン液は、LEDランプの出力や、波長によって硬化できるかどうかが決まってきます。通常、波長が表記されていると思いますので、数の小さい波長のものが硬化しやすくなります。市販されているものでは375nm以下でないと結構厳しいと思われます。
まとめ
途中、少し難しくなりましたが、UVレジンの成分や原料のついてお分かり頂けたでしょうか?
UVレジンって書いてあっても全部同じ成分ではないということで、作りたいものによって使い分ける必要があることが分かりましたね。
また、UVレジンは、光が当たらなくても硬化するので、保管方法にも気を付けないといけないですね。